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やっと懐いてきた猫を探して、史佳は高校の後輩・川島と再会する。それ程親しくはなかったのに史佳の生活に転がり込んできた彼は「ずっと好きだった」と躊躇いなく自分に触れてきて…。彼はどれくらい一緒にいて、いつまで自分を好きでいてくれるのだろうか? 独りが寂しかったのに、同性にしか興味を抱けない事が後ろめたくて、誰も愛せずにいた史佳。簡単に不安になる自分を川島は抱きしめてくれる。けれどその川島も、秘密を抱えていて――。
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著者:結城瑛朱 イラスト:桜城やや
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26歳。書店でアルバイトをしている。線の細い顔と猫のように大きな瞳は、縁の太いセルフレーム眼鏡と長く伸ばした前髪で隠されている。小説家の「高槻佳南」が好き。
25歳。ほとんど関わりのなかった、高校時代の先輩・史佳の部屋に転がり込む。整った男らしい顔だが、笑うと屈託のない人懐っこさが表れる。
マンションはすぐそこだ。そろそろにゃん吉が駆け寄ってくるはず。その姿を想像することで、寂しさを紛らわす。
だがその日、にゃん吉はいつものように史佳目がけて駆け寄ってこなかった。
どうしたのだろう。最近は必ず帰ってくる自分を出迎えてくれていたのに。
嫌な想像が胸に過ぎる。
自分を迎えに来ない白キジの猫の安否が気になって、史佳の脚は自然と走り出していた。
「にゃん吉、にゃん吉!」
潜めた声音で呼ぶと「んなぁ〜」と、にゃん吉の鳴き声が確かに聞えた。にゃん吉は無事だと知って、ほっと胸を撫で下ろす。
「にゃん吉。おまえどうして――」
いつも餌を与えているゴミ置き場の裏側に回り猫に投げかけた声が、途中で止まる。
にゃん吉はいた。史佳の腰のあたりの高さまであるゴミ置き場のブロック塀に寄りかかるように座り込んだ男の腕の中に。
「んにゃあ〜」
男の腕の中で、にゃん吉は史佳を見上げてその大きな瞳を輝かせる。早く餌をくれと催促するときの眼だ。
「これ、史佳先輩の猫?」
知らない男に史佳先輩などと呼ばれて、一気に警戒心が高まった。
「……あんた、誰だ?」
猫を抱いたまま、男は立ち上がる。背が高い。いきなり見下ろされるかたちになり、思わず身体が竦む。
こんなやつ、知らない。どうしてこいつはおれのなまえを知ってるんだ?
緊張でひどく表情を強張らせている史佳に、男は馴れ馴れしい口調で呟いた。
「史佳先輩、僕のこと忘れちゃったの?」
「お……、おまえなんか知らない」
整った、男らしい顔。だが笑うと、垂れ気味の目許に子供のような屈託のない人懐っこさが現われる。それが妙に史佳の緊張感をそぎ落とす。
「本当に忘れちゃったの? 僕は高校の後輩だった――」
「……か、川島か?」
「よかった、覚えていてくれて」
川島は邪気のない、子供のような貌で微笑った。
ローズキーノベルズ1月刊のカバーイラストしおりを3種セットでプレゼントいたします★
『飼い主を決めるのは猫』『お伽噺は蜜夜に咲いて』『愛執の褥〜籠の中の花嫁〜』いずれかの帯に付いている応募券、宛名カード+80円切手付き封筒で申し込みできます。どしどし応募して下さいね!!
※しおりは新春フェア・浪漫フェア共に同じものです。
| ◆応募要項 |
① 1月刊フェア対象作品の帯についている【応募用紙】、【宛名カード】(コピー不可)を切り取って、必要事項をご記入ください。
② 返信用に長3封筒を用意し、記入済みの【宛名カード】と80円切手を封筒表面に貼ってください。
※長3以外の封筒は使用しないでください。
③ @の【応募用紙】とAの返信用封筒(折り曲げ可)の2点を封筒に入れ、下記までお送りください。
④ 先生方へのメッセージをご同封ください。
※ご記入頂きました項目は、しおり発送以外の目的では使用はいたしません。
※フェア対象作品 ●飼い主を決めるのは猫●お伽噺は蜜夜に咲いて●愛執の褥〜籠の中の花嫁〜
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| ◆応募〆切 |
2012年3月15日(木)※当日消印有効 |
| ◆発送予定 |
2012年4月下旬から |
| ◆応募宛先 |
〒162-0814 東京都新宿区新小川町8-7 (株)ブライト出版 ローズキーノベルズ編集部
「しおり3種セット」係 |